回研究会 開催概要


第8回の「汚穢と倫理」研究会を2023年1月21日(土)に開催しました。今回は、地理学者・原口剛さんの『叫びの都市——寄せ場、釜ヶ崎、流動的下層労働者』(洛北出版, 2016年)の書評会となりました。大阪の釜ヶ崎を舞台に、都市下層の生活世界と戦後日本の資本・産業の「発展」の矛盾とを、人・モノの動きと場所の記憶に着目しつつ鮮やかに描き出した著作です。その記述は、生活と労働と権力関係の歴史が刻み込まれた場所・空間の濃密さを伝えてくるとともに、場所の景観が丸ごと塗り替えられるとき、それらの文脈がいかに脱臭・忘却されていくかということも考えさせます。研究会開催地である京都市もふくめ現在各地で進む再開発と商業化のなかで、何が起き、何が押しつぶされようとしているのか、および「寄り場なき社会の総寄せ場化」などのテーマをあわせて考える、非常によい機会となりました。


 

  日時: 2023年1月21日(金) 14時〜

  場所:京都大学人文科学研究所本館1Fセミナー室1

  ゲストスピーカー:原口剛さん(神戸大学大学院人文学研究科)

 

プログラム

14:00 研究会開始 参加者自己紹介

14:15 ゲスト原口さんよりお話いただく

14:45 ディスカッション

15:15 休憩

15:25 ディスカッション再開

17:00 閉会


※)本研究会は、科研費(課題番号21K01082)の資金援助を受けて開催されました。

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